哀恋 アイレン

それは、気付かんふりしてや。

そうやって拗ねると、俺の頬に触れた細い指。

「…捨て猫、みたいやね。」


鳴いて
鳴いて

泣いて。

温もりなら何でもええねん、
それはきっと、

お互いに。

段ボールに代わる家を見つけて、俺ら二人寄り添った。

「どっちが?」

冷えた指がゆっくりと俺の唇をなぞって離れてく。

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