無垢な瞳
コウの表情はいつもと何も変わらず、完璧になった「トップ・オブ・ザ・ワールド」を僕の「タ・タ・タ・タ」に合わせて弾く。
初めは不安そうな表情だったアキも、曲が進むに連れて楽しんで指揮棒を振った。
サオリもユウキもユウコもケイタも‥‥クラスのみんなが、この一つの音楽に没頭していた。
音楽に委ねていることに心地よさを感じ、穏やかな表情に変わっている。
手拍子ができないもどかしさからか、それぞれが体を自由に音楽にあわせて動かす。
申し合わせて同じ方向に同じタイミングで体を揺らすのでなく、無秩序だが開放された心の動くままに体が従う。
誰もが初めての感覚を味わっていた。
やがて曲は終わり、コウのピアノでフィンとなった。
一瞬しーんとなった。
みな放心状態のようで、ぼんやりと立ち尽くしていた。
「この気持ちをなんて表したらいいんだよ‥‥」
ケイタが感情を抑えながら言った。
誰もがわかっていた。
コウを動揺させてはいけない。
初めは不安そうな表情だったアキも、曲が進むに連れて楽しんで指揮棒を振った。
サオリもユウキもユウコもケイタも‥‥クラスのみんなが、この一つの音楽に没頭していた。
音楽に委ねていることに心地よさを感じ、穏やかな表情に変わっている。
手拍子ができないもどかしさからか、それぞれが体を自由に音楽にあわせて動かす。
申し合わせて同じ方向に同じタイミングで体を揺らすのでなく、無秩序だが開放された心の動くままに体が従う。
誰もが初めての感覚を味わっていた。
やがて曲は終わり、コウのピアノでフィンとなった。
一瞬しーんとなった。
みな放心状態のようで、ぼんやりと立ち尽くしていた。
「この気持ちをなんて表したらいいんだよ‥‥」
ケイタが感情を抑えながら言った。
誰もがわかっていた。
コウを動揺させてはいけない。