無垢な瞳
「すごい!完璧に構造化されたシナリオだ」

アキは鼻高々だ。

「それにね、このタイムテーブルを使って、他のクラスの終わった演目を順々に×していけば、あとどのくらいで自分たちの番になるか、コウにわかりやすいでしょ」

アキは普段コウが生活の中で使っているカレンダーの使い方と同じようにして作った。

コウが少しでも使いやすくあればというアキの心遣いだ。

「アキ、がんばったね。よくやったよ」

僕は心からそう思った。

「やだあ、ケンにほめられると気持ち悪い~!」

アキは照れて茶化したけれど、僕はほめるのをやめなかった。

本番は目前だ。
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