無垢な瞳
「ケン、着てみろよ。まずいちばんにケンに着てほしいんだ、俺たち」

ユウキはケンが持っていたTシャツを取り上げて、ケンの頭にかぶせた。

ケンは素直にそのTシャツに袖を通した。

わーーーーーーーーーっ!!!!

教室が歓声でいっぱいになった。

「っつうか、何ケン泣いてんの?まだ早いでしょ!」

「うるせえ。ちょっとだけ泣かせろ」

僕はユウキの肩にしがみついて、しばらく泣かせてもらった。

「ほら、アキの分。おまえも着て!」

「ありがと‥‥。嬉しいよ、すっごく」

「なんだか照れちゃうよ。そんなふうにお礼を言われちゃうと。俺たちの方がお礼を言いたいんだぜ」

「やだ‥‥また泣けちゃうよ‥‥」

「だからまだ早いって。いいか、じゃあ全員衣装着るぞ!」

クラス全員がそれぞれ着ていた長袖シャツの上に、四つ葉のクローバーのTシャツを着た。
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