無垢な瞳
全校児童とその保護者が集まると、12月ではあるが体育館は熱気に包まれる。

児童席の後ろが保護者席。

開演前だと言うのに、座りきれず少しだが立ち見も出ている。

僕らは指定された席に腰を下ろし、出番を待つことになる。

コウは長時間この席で待つことはできないので、沢村先生とタンポポで待機することになっていた。

各クラスによって演目は違う。

朗読劇、合奏、お遊戯、お笑いコント、劇、合唱‥‥。

クラスの数だけジャンルもあると言ってもいいほど、多種多様に富んでいる。

それだけ、全校で力を入れている行事と言えるだろう。

「ただいまから、今年度のクラス発表会を開会いたします!」

校長先生の開会宣言で、ついにクラス発表が始まった。

審査員席には担任を持っていない、校長、教頭、教務主任、用務員さん、PTA会長の五人が並ぶ。

そして各人二十点の持ち点で百点満点のうちのどれだけの点数を取れるかで優勝が決まるという仕組みになっている。

各クラスの発表のあとに点数が発表され、ステージ右端にある掲示板に現時点の一位から十位までが掲示される。
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