無垢な瞳
5
クラス発表の四分の三は終了した。
予想通り高学年がベスト十に名前を連ねている。
「まあ、大体予想通りね」
「あと上位に食い込むのはどこかな?」
アキが渋い顔しながら腕を組んだ。
「六の四は来るはずよ」
「そこ何やるの?」
「走れメロス。正統派の演劇だって」
僕は自分たちのことでいっぱいいっぱいで他の組のリサーチなどする余裕がなかったが、さすがアキだ。
あんなに忙しい中でも敵情を事前にキャッチしていた。
「まあ、あそこも受験組が半分くらいいるから、条件としてはうちと一緒なんだけど」
「何か心配?」
「だってさ、普通に考えて、合唱よりも演劇の方が派手でしょう。有利に得点を重ねるに決まっているわ」
「へえ」
アキは目じりを上げてケンをにらんだ。
「やだあ、本当にのんきね」
アキは右足をパイプ椅子の足に絡めて、かたかた音をさせている。
そして左手の薬指の爪を噛んでいた。
アキ、かなりいらついている。
「しょうがないだろ。ここまで来たんだ」
「しかも六の四には児童会長のアツシがいるからね。学校全体の知名度も人気も高いから、うちとしてはかなり不利ね」
予想通り高学年がベスト十に名前を連ねている。
「まあ、大体予想通りね」
「あと上位に食い込むのはどこかな?」
アキが渋い顔しながら腕を組んだ。
「六の四は来るはずよ」
「そこ何やるの?」
「走れメロス。正統派の演劇だって」
僕は自分たちのことでいっぱいいっぱいで他の組のリサーチなどする余裕がなかったが、さすがアキだ。
あんなに忙しい中でも敵情を事前にキャッチしていた。
「まあ、あそこも受験組が半分くらいいるから、条件としてはうちと一緒なんだけど」
「何か心配?」
「だってさ、普通に考えて、合唱よりも演劇の方が派手でしょう。有利に得点を重ねるに決まっているわ」
「へえ」
アキは目じりを上げてケンをにらんだ。
「やだあ、本当にのんきね」
アキは右足をパイプ椅子の足に絡めて、かたかた音をさせている。
そして左手の薬指の爪を噛んでいた。
アキ、かなりいらついている。
「しょうがないだろ。ここまで来たんだ」
「しかも六の四には児童会長のアツシがいるからね。学校全体の知名度も人気も高いから、うちとしてはかなり不利ね」