無垢な瞳
アキは客席に向かってこう言った。
「私たちは数ヵ月後それぞれの道へ向かうために、離れ離れになります。たかが小学校生活6年間のうちのたった1年じゃないかとおっしゃらないでください。この1年は私たち一人一人にとって深い意味の持つ一年でした。今日のこの瞬間がここにいる全ての人の胸の中で、ずっと生き続けますように」
アキは落ち着いていた。
またくるりと振り返ると、ケンの方を向いて合図をした。
アキが指揮棒をあげるのを確認して、ケンは小さな声で言った。
「1・2・3・4‥‥」
ここでコウの前奏が入る。
よし予定通り。
アキの指揮棒とも合っている。
大丈夫だ。
ケンは小さな声で、コウのピアノが指揮棒と合うようにカウントを取った。
コウは普段の練習どおり小気味よく演奏する。
会場から感嘆の声が漏れた。
「私たちは数ヵ月後それぞれの道へ向かうために、離れ離れになります。たかが小学校生活6年間のうちのたった1年じゃないかとおっしゃらないでください。この1年は私たち一人一人にとって深い意味の持つ一年でした。今日のこの瞬間がここにいる全ての人の胸の中で、ずっと生き続けますように」
アキは落ち着いていた。
またくるりと振り返ると、ケンの方を向いて合図をした。
アキが指揮棒をあげるのを確認して、ケンは小さな声で言った。
「1・2・3・4‥‥」
ここでコウの前奏が入る。
よし予定通り。
アキの指揮棒とも合っている。
大丈夫だ。
ケンは小さな声で、コウのピアノが指揮棒と合うようにカウントを取った。
コウは普段の練習どおり小気味よく演奏する。
会場から感嘆の声が漏れた。