無垢な瞳
結果発表になった。

優勝争いは6の4の「走れメロス」と6の1の「トップ・オブ・ザ・ワールド」の二つに絞られている。

だれもが甲乙をつけがたいと思っていた。

僕らはまた客席に戻り、結果を今か今かと待ちかねていた。



校長先生がステージに上がった。

「今日はすばらしいクラス発表をありがとうございました。私はもう何年もこの発表を聞いていますが、こんなにすばらしいものは初めてだと思います。審査員のみなさんもどれを優勝にしたらいいのか頭を悩ませました。が、5人の審査員の気持ちはみな一緒でした」

校長は、ごくりと唾を飲み込んだ。
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