無垢な瞳
僕は芝山先生の車に乗せられ、市立病院に連れて行かれた。
てっきり病室に連れて行かれるものとばかり思っていたのだが、連れて行かれたのは地下の霊安室だった。
中に入ると、父がいた。
もう二度と父と会うことはないだろうとあきらめていたのが、こんな形で再会することになるなんて。
「どうして?ねえどうして?」
父はうなだれたまま顔を上げることができなかった。
「ケン‥‥。昨日の夜中、母さんからメールが来たんだ」
「メールって、今もやりとりがあったの?」
「いや。本当に久しぶりのメールで、そのメールに‥‥」
父は嗚咽して言葉にならない。
「だって、今朝僕は母さんに朝食を用意して、今日のクラス発表のことを手紙に書いて‥‥。そしたら母さん、ちゃんと見に来てくれたんだよ。僕、ステージから母さんの顔、確認したんだから」
てっきり病室に連れて行かれるものとばかり思っていたのだが、連れて行かれたのは地下の霊安室だった。
中に入ると、父がいた。
もう二度と父と会うことはないだろうとあきらめていたのが、こんな形で再会することになるなんて。
「どうして?ねえどうして?」
父はうなだれたまま顔を上げることができなかった。
「ケン‥‥。昨日の夜中、母さんからメールが来たんだ」
「メールって、今もやりとりがあったの?」
「いや。本当に久しぶりのメールで、そのメールに‥‥」
父は嗚咽して言葉にならない。
「だって、今朝僕は母さんに朝食を用意して、今日のクラス発表のことを手紙に書いて‥‥。そしたら母さん、ちゃんと見に来てくれたんだよ。僕、ステージから母さんの顔、確認したんだから」