無垢な瞳

「なあケン、聞いたか。アキの家、離婚したんだって。アキは母ちゃんと暮らすから苗字が変わるんだってよ」



カバンから荷物を取り出していると、ユウキが話しかけてきた。




ユウキはちょっと小うるさいやつだ。

男の癖に噂話には敏感で、クラスの情報屋と言われている。




「何で、ユウキがそんなこと知ってんだよ」

「まあいろいろとな」



ユウキは薄ら笑いを浮かべて、女子が固まってキャッキャと話しているほうに目を向けた。






アキは昨日と同じように、仲良しグループで固まっている。

普段となんら変わらないように見える。
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