無垢な瞳
「はい?」
「あ‥‥私、ケンくんのクラスメイトの長谷川アキと申します」
なんとかしてケンにつないでほしい。
アキは今自分にできるのは誠心誠意自分の気持ちを相手に伝えることだということを十分わかっていた。
「ケンの‥‥」その日の夜、アキは沢村に教えてもらったケンの祖父の家に電話をかけることにした。
東京とケンを断ち切りたいと思っているケンの祖父。
アキの電話がケンにつながる保証はどこにもない。
アキはメモを見ながら慎重に電話番号を一つ一つ押した。
受話器を持つ手が汗ばむ。
アキは受話器を落とさないように両方の手でしっかり握った。
トゥルルルルル‥‥・・。
呼び出し音がなる。
一回、二回、三回‥‥。
誰もいないのだろうか。
受話器をもう一度握り締めたとき、呼び出し音は止まった。
「はい、袴田でございます」
年配の女性の声だった。
ケンの祖母だろうか。
「あの‥‥」
アキは自分の声が上ずるのを静められない。
「あ‥‥私、ケンくんのクラスメイトの長谷川アキと申します」
なんとかしてケンにつないでほしい。
アキは今自分にできるのは誠心誠意自分の気持ちを相手に伝えることだということを十分わかっていた。
「ケンの‥‥」その日の夜、アキは沢村に教えてもらったケンの祖父の家に電話をかけることにした。
東京とケンを断ち切りたいと思っているケンの祖父。
アキの電話がケンにつながる保証はどこにもない。
アキはメモを見ながら慎重に電話番号を一つ一つ押した。
受話器を持つ手が汗ばむ。
アキは受話器を落とさないように両方の手でしっかり握った。
トゥルルルルル‥‥・・。
呼び出し音がなる。
一回、二回、三回‥‥。
誰もいないのだろうか。
受話器をもう一度握り締めたとき、呼び出し音は止まった。
「はい、袴田でございます」
年配の女性の声だった。
ケンの祖母だろうか。
「あの‥‥」
アキは自分の声が上ずるのを静められない。