無垢な瞳
5
その日は日曜日だった。
体調のすぐれない母に代わって買い物をした帰り道、どこからともなくピアノの音色が聞こえてきた。
「コウだ!」
すぐにわかった。
このピアノはコウが弾いている。
ケンとコウはほぼ毎日一緒にいる。
コウのピアノの音がわからないわけがなかった。
ケンは音の出所をすぐにつきとめた。
「ここだ」
路地を少し入ったところに古い平屋の家が見えた。
「渡瀬」と表札が書かれている。
まちがいない、コウの家だ。
僕は垣根の間から、家の中をのぞいてみた。
縁側に面した和室にピアノが置かれ、その前にコウが座っていた。
体調のすぐれない母に代わって買い物をした帰り道、どこからともなくピアノの音色が聞こえてきた。
「コウだ!」
すぐにわかった。
このピアノはコウが弾いている。
ケンとコウはほぼ毎日一緒にいる。
コウのピアノの音がわからないわけがなかった。
ケンは音の出所をすぐにつきとめた。
「ここだ」
路地を少し入ったところに古い平屋の家が見えた。
「渡瀬」と表札が書かれている。
まちがいない、コウの家だ。
僕は垣根の間から、家の中をのぞいてみた。
縁側に面した和室にピアノが置かれ、その前にコウが座っていた。