無垢な瞳

六の一では、アキが教壇に立っていた。

「この前の学級会では結局クラス発表の演目が決まらなかったけど、あれから何か考えてきた?」

「なんだよ、アキは委員長でも何でもないだろ!」

男子からヤジが飛んだ。

それでもアキはひるまない。

動揺することなく、教壇の上からクラス全体を見渡す。

「委員長が議長をやってもまともな意見が出てこなかったでしょ。委員長さえ良ければ、 今日は私が議長になって、クラス発表の演目を決めたいと思うんだけど‥‥」

「どうぞ。私はお手上げだから」

委員長は投げやりな態度ではあったが、アキの提案に同意した。

「みんなから何も意見がないから、私から提案させてもらいます」

アキの毅然とした態度に、六の一は静まり返った。
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