無垢な瞳
両親の離婚、恨んだわ。

大人の勝手で、私の人生はどうなるの?

不安でたまらなかった。



友達に、親が離婚したことを知られるのもこわかった。

みんなが私のことを噂しているような気持ちになって、学校に行くのがこわかった。



いっそ、知らない国にでも行きたいと思った。

そしたら、誰も私のことを知らないでしょ。

初めから片親ならなんとも思わないでしょ。



決してほどけることのない見えない縄でぐるぐる巻きにされているようで、私の心は身動きが取れない。



クラスのみんなの前に立ち上がったとき、こわかった。

足が震えたわ。

でもね、あの勇気のおかげで、私を縛る見えない縄がほどけていくのがわかったの。



こわがっているだけではだめ。

誰かに助けてもらおうと待っているだけじゃだめ。

私が自分自身の力で一歩踏み出さなければ何も始まらない。
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