無垢な瞳
アキは悩んでいた。

机の上にノートをひろげて書いてはみるが、どうもすっきりしない。

シナリオって言ったって、どこまで細かく書いたらいいのか‥‥。

コウにとってもわかりやすく、クラスメイトが見ても納得がいくものがどういうものか‥‥。

一人では埒が明かないので、ケンに電話してみることにした。

「あの、六の一の長谷川と言います。こんばんは。島野さんのお宅でしょうか」

「なんだよ、アキ?」

電話にはケンが出た。

「なんだ、ケンか。緊張してかけて損した」

「何言ってんの。あ、ちょっと待って」

ケンは子機を自分の部屋に移動した。

ケンの母がいぶかしそうな顔をしてその様子を見ていた。
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