無垢な瞳
木戸を開けるとピアノの音が聞こえた。

「コウ君、弾いているのね」

庭に入ると、コウの母親の歌声も聞こえた。

「カレンみたい‥‥」

アキが驚いている。

二人の実力はさらに上がっている。

「この二人だけでも十分ライブできそうだよね」

アキが小さな声で言った。

「おばさん、こんにちは。ケンです」

コウの母親が小走りで玄関にやってきた。

「あら、あなたがアキさんね」

アキが遠慮がちに会釈した。

「お話は聞いていたわ。会ってみたいってずっと思っていたのよ」

コウの母は二人を招き入れる。
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