幼なじみはクールボーイ
「伊吹ね、まあその…好きな人がいるんだけど…」

ビクンと智美が反応する。

「…お前いきなり言うとか」

悠がそう言って呆れた目で私を見る。

「えっ、あ、ご、ごめん…」

「いいよ…わかってたし」

続けて?と智美が促す。

「…昔から好きなの。その人のこと」

「…うん」

「今も…多分…」

「……うん」

「でもね」

「うん…」

私は小さく深呼吸をして智美の目を見た。

「もう…いないんだ、その人…」

その言葉に智美が驚いたように目を見開いた。
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