幼なじみはクールボーイ
…わかってた。

ポタポタと雫が落ち、制服にシミを作っていく。

わかってた。悠が私を好きじゃないことくらい…

私はいたたまれなくなってその場から駆け出した。

わかってた…わかってた…

階段に差し掛かって足を止める。

…違う。

わかってなかったんだ。

認めたくなかったんだ。

だから…だから涙が出るの。

わかってたけど、認めたくなかったの。

悠…好きなの。

好きなのに、こんなに好きなのに…

なんで届かないの…?

好きすぎておかしくなりそう。

なのになんで…?なんでなの…?
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