幼なじみはクールボーイ
「あの、ね 、佐藤君…実は…「無理に言わなくていいよ」

佐藤君は私の言葉をやんわりと遮って微笑む。

「言いたくないことは言わなくていい。
言いたいことだけで…」

佐藤君の言葉にじわりとまた涙腺が緩む。

「ご、ごめん、また泣かしちゃった?」

佐藤君が慌ててそういうから私も慌てて

「違うっ、違うの、ごめん佐藤君。
私は…大丈夫…」

私はそう言って涙を拭った。

「…そっか」

佐藤君はそう言うとまた静かに微笑んだ。

「あ、私…教室戻らなきゃ」

鞄置きっ放しだし …

「…そっか。じゃあ俺も部活戻るね」

「うん…引き止めちゃってごめんね?」

「いいって。
じゃあまた明日。今日は…ゆっくり休んで」

「…うん」

佐藤君は私の返事を聞いて私の頭をぽんっと撫でると去っていった。

私も涙をぐいっと拭い、踵を返して教室に戻った。
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