幼なじみはクールボーイ
「なあ、佐藤知らねー?」

サッカー部員のやつがきて体育館を覗き込む。

「佐藤?」

イラつくイラつく…

ダンダンとドリブルしながらシュート…

「佐藤ならさっき桐乃といたけど?」

…は?

部員の言葉に目を見開く。

「えっ、なんで?」

「さあ?なんか見たとこ桐乃が泣いてて佐藤が慰めてて…」

…泣いてた?

「なんだそれー。
まあいいけど佐藤どこだよー」

「知らねーよ」

まだなんか騒いでいたけどそんなの全く耳に入らない。

泣いてた?

佐藤に慰められてた?

パサっとシュートを決める。

…どういうことだよ。

俺はもう一度シュートして、外れたボールを追えずにいた。
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