約束



席に着くと、メニューを開いた。

「何がいい?」

そう聞かれ、

「じゃあ、カルボナーラで…」

遠慮がちに言うと、

「カルボナーラといつものちょうだい。」

そう彼が言うと、

「あいよ、今日は可愛い子もいるし、特別にサービスしてやるよ。」

「おっ!サンキュー」

親しげな二人に戸惑いつつも、

「ありがとうございます。」

とだけ、言って頭を下げた。

「ちょっと、待っててな!」

そう言った彼は、

温かいココアを二つ持ってきて、差し出してくれた。

「これも、サービスな。
あとは、お二人で仲良くね~」

不敵に微笑む彼に

「変なヤツだな。」

って言いながら、彼は苦笑いした。

あたしも、少し気まずくて微笑んだ。


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