無声な私。無表情の君。
確か、この辺のはず。彼とぶつかったのは。

東階段の曲がり廊下でぶつかったので、落ちてるなら、理科室前とかその辺りなのだが。
メモ帳は見当たらない。

無いな、諦めるか。
メモ帳が大切だと言えばそうだが、実際大切なのは、そのなかに挟まっている家族の集合写真なので、どうにかデータがあればまた復元できるし。

取り敢えず私は教室に帰り、昼休みには、メモ帳の事など忘れて友達と他愛ない会話をしていた。
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