黄昏
「久遠さん…少しいい?」

日頃教師さえも近づかない久遠のもとへ行く。

彼女は眠そうに眼鏡をかけた顔をあげた。

「…昨日の山村さんみたいな人影と今日、五月が休みな事について…
あと言い伝えについて」

眼鏡ごしの瞳を細めて
彼女は口を開いた。

「昼休みに屋上への階段 最上段へ来い…」

ソレだけいうと彼女はまた伏せてしまった…。

でも、その時の表情が昨日と同じだったから素直に従ってしまった。

彼女に頼るしか道はないのだと私の全てが告げている。
< 16 / 19 >

この作品をシェア

pagetop