冷血上司の恋愛論
「『野の花』は、元カレのお店なんです。だから、もしかしたら課長に御迷惑かけるかもしれないので、先に謝っておきます。すいません」
「元カレね、」
藤井の言う元カレがあの日の失恋した男なのか?だとすれば、専務はその後にできた男なのか?
疑問を口にしようとした時、青に変わった信号。俺は、疑問を飲み込み車を走らせた。
「元カレは、知ってるのか?今日、藤井と顔を合わせること」
多分知らないだろうが、確認の意味も込めて聞いてみると、案の定知らないと返ってくる。
「そう。嫌だったら降りてもいいぞ。適当に部長には言っておくから」
「いえ、私が雅司さんにお願いして部長に許可を得たので同行させて下さい」
部長が普段の冷たい俺を見て“くれぐれも”と言ったわけではないことが分かっただけ良しとするか。
ある一点を除いて。
「なら、公私混同だけはするなよ。その雅司さんって言うのもどうかと思うぞ。いくら自分の男でも、同じ社の人間に専務を名前で呼ぶのはよくない」
「元カレね、」
藤井の言う元カレがあの日の失恋した男なのか?だとすれば、専務はその後にできた男なのか?
疑問を口にしようとした時、青に変わった信号。俺は、疑問を飲み込み車を走らせた。
「元カレは、知ってるのか?今日、藤井と顔を合わせること」
多分知らないだろうが、確認の意味も込めて聞いてみると、案の定知らないと返ってくる。
「そう。嫌だったら降りてもいいぞ。適当に部長には言っておくから」
「いえ、私が雅司さんにお願いして部長に許可を得たので同行させて下さい」
部長が普段の冷たい俺を見て“くれぐれも”と言ったわけではないことが分かっただけ良しとするか。
ある一点を除いて。
「なら、公私混同だけはするなよ。その雅司さんって言うのもどうかと思うぞ。いくら自分の男でも、同じ社の人間に専務を名前で呼ぶのはよくない」