冷血上司の恋愛論
だが、どうにも我慢ならなかった俺は、上司という立場を利用して言ってしまった。


「え、雅司さん、……金山さんって専務なんですか!?あ、……って、違います。違います。私、雅司さんの彼女じゃありません!課長も知ってるじゃないですか!?私、フラれたばっかです。流石にそんなすぐに、次の彼を見つけるなんて無理です!」


テンパっているのが丸分かりの早口な藤井に、俺のイライラがスーッと消えていく。


あの日のこと覚えてくれていたんだ。


胸の動悸が激しくなったような気がする。


「なら、セフレか?まさか、フラれて自棄になっているわけじゃないよな?」


「わ、私が 雅司さ…、金山さんのセフレなわけないじゃないですか!確かに昔から美人なお姉さんが周りにうようよ居ましたけど。それに、自棄になったのは、あの日だけで、アナタ……課長が私を慰めてくれたからもう吹っ切れてます」


「だったら、専務は藤井の何?」




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