冷血上司の恋愛論
お酒の席では一歩先に
「かんぱーい!」
宴会好きの榊部長の発案で、藤井の歓迎会が急遽開かれた。
遡ること約30分前。元々チームワークを重視する部長は、月イチで部内の飲み会を開く。その一つが歓迎会になっただけなので、誰からも文句は出ないが藤井は困惑していた。
「すいません、ちょっと待ってもらっていいですか?」
「上司の誘いを断るなんてないよな」
威圧感たっぷりで部長は藤井を無理矢理連れてきたのだ。
先約を断る時間が欲しいと訴えた藤井に、一度くらいのデートのキャンセルくらいでぶつぶつ言う男なら捨ててしまえと素面でも言える部長に、周りは苦笑をもらしていた。
藤井が助けを求める目で俺を見ていた。
そりゃそうだ。男が居ないことを知っているのは、まだ俺くらいだろうし、おそらく、先約というのは、藤井の困った態度からすると専務だと思う。専務のことも知っているとなると、必然的に俺に目を向けるだろう。
「部長!藤井に皆の前で電話させればいいじゃないですか?」
宴会好きの榊部長の発案で、藤井の歓迎会が急遽開かれた。
遡ること約30分前。元々チームワークを重視する部長は、月イチで部内の飲み会を開く。その一つが歓迎会になっただけなので、誰からも文句は出ないが藤井は困惑していた。
「すいません、ちょっと待ってもらっていいですか?」
「上司の誘いを断るなんてないよな」
威圧感たっぷりで部長は藤井を無理矢理連れてきたのだ。
先約を断る時間が欲しいと訴えた藤井に、一度くらいのデートのキャンセルくらいでぶつぶつ言う男なら捨ててしまえと素面でも言える部長に、周りは苦笑をもらしていた。
藤井が助けを求める目で俺を見ていた。
そりゃそうだ。男が居ないことを知っているのは、まだ俺くらいだろうし、おそらく、先約というのは、藤井の困った態度からすると専務だと思う。専務のことも知っているとなると、必然的に俺に目を向けるだろう。
「部長!藤井に皆の前で電話させればいいじゃないですか?」