隣の男子の落とし方。
「ねえ、桜菜。
恋におちるの“おちる”って、“落ちる”っていう字なの?」
『あぁー、どうだろう?
“堕ちる”だっけ??』
「んー、思い出せなくてー……」
『いいんじゃん?どっちでも分かるでしょ』
「そっか。確かに」
桜菜は小さくうなずいた。
その瞬間、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。
あー、もう早いなぁ。
『授業、やだね』
「うん、でもいいや!」
『なんで?』
「クールくんの落とし方考える!」
『おぉー、頑張れ』
「うん」
私はチョコレートをポケットにしまった。