隣の男子の落とし方。


『あ、やっぱ気になる?』


「なんで!」


私がそんなことを言っても、足立くんはニコッと笑う。


『いや、なんとなくね。

間宮は今日帰れないってさ。先生に呼ばれたとか』



……へえ、先生に呼ばれたんだ?

足立くんを待たせるわけにいかないってことなのかな。


(うぇ、間宮がね………)


「そうなんだ。

あ、ごめん。呼び止めて」


『いや、呼んだのは俺だし。

……じゃ、また』


「うん、またね」と言って足立くんと別れる。

……しっかし、足立くんいい人だよねぇ。


桜菜が惚れるだけある。


うんうん、と1人で頷きながら、

私は保健室に向かった。





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