ぼくたちはあいをしらない
「ここ暖かいねぇー」

 自由が、そう言うと一同がうなずく。

「ここはね、冬でも暖かい不思議な場所なんだよー」

 みゆきが、笑いながら自由を椅子に座らせる。
 そして、そのとなりに茂を座らせる。

「こうやってみるとなんか似合うねぇー」

 みゆきが、そう言ってニコニコと笑う。

「似合うって?」

 茂が、面倒くさそうにみゆきに尋ねた。

「決まってるじゃん。
 茂と自由ちゃん!」

「そんなの北さんの迷惑になるから止めなよ」

「ダメ!アンタは、こうやって強引に引っ張らなくちゃ誰も寄ってこないんだから!」

「そんなの、みゆきちゃんに関係ないだろう?」

 茂は、そう言って立ち上がる。
 そして、その場から走って学校の裏山の方に向かった。

「お前、怒らせてする?」

 達雄が、そう言ってため息をした。

「あの……ごめんなさい。
 私のせいで……」

「自由ちゃんは、悪くないよ」

 静香がそう言って苦笑いを浮かべた。

「スネオくんを迎えに行ってくるね。
 行く場所は、わかってるから……」

 みゆきは、そう言って立ち上がり茂を追いかけた。


 そして、10分ほど気まずい雰囲気が流れた。

「私も……やっぱり行ってきます!」

 自由は、そう言って立ち上がり茂が向かった学校の裏山へと走った。
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