ぼくたちはあいをしらない
「いいねぇー。
 だが、甘い!」

 灰児が笑う。
 そして、勝也の首をつかむ。

「お前もな!」

 勝也はそう言ってナイフを灰児に向かって投げる。
 しかしナイフは、そのまま灰児の体をすり抜ける。

「効かんな!」

 灰児は、そう言って勝也の体を投げ飛ばした。

「何故だ……?」

 勝也が小さく呟く。

「お前の能力は、能力者の力を無効化することはできるがそれはお前に直接触れているものだけだ。
 お前から離れたものはタダのモノだからな。
 投げたナイフはタダのナイフでしかない」

「くそ……」

 勝也が舌打ちする。
 頭を打ったせいかうまく体が動かない。

「さて……
 そろそろ終わりにするぞ!」

 灰児が、先ほど勝也が投げたナイフを拾い上げる。
 そして、勝也の喉元にナイフを当てる。

「やめて!」

 そう言って自由が現れる。

「ほうほう。
 もしかして、お前コイツの女か?」

「ち、違うよ!」

 自由が、少し照れ笑いを浮かべる。

「いい女じゃねぇか……
 お前が先に殺されるか?」

「それは、イヤ……」

 自由が首を横に振る。

「おいおいおいおい。
 抜け駆けはダメだなぁー
 灰児」

 そう言って現れたのは轟だった。

「轟……!?」

 勝也が思わず声を出す。

「よう。
 お前は勝也か?
 久しぶりだなぁー」

 轟は、嬉しそうに笑うと自由の体を抱きしめた。

「抜け駆けはお互い様だ」

 灰児が、そう言って轟にナイフを投げる。
 轟はナイフを受け止める。
 そして、そのまま自由の首筋にナイフを当てた。

「さてさて、これかから少しずつ服を切って裸にしてから陵辱して……
 それから、殺してやろう」

 轟は、そう言いながら自由の胸を揉む。
 そして、笑いながら言葉を続けた。

「Bカップだな」

 轟は暫く自由の胸を堪能した。
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