聖者の行進
幼い母性
「たぶん、相手のコトが必要以上に気になるからだよ。落ち着けないから寝れないんだと思う」
抽象的なジョージの言葉に、シオリは首をかしげた。
「んとさ。言わば母心みたいなモノかな。そして、その想いが一方通行だから悩んで寝れないんだと思う」
ジョージの言葉に、シオリは、まだ、意味が分らないようだった。
「んじゃ、自分に罪悪感でもあるんじゃない?」
どう説明しても理解が難しそうなシオリに対し、まるで別の解答を告げたジョージ。
すると、シオリは「罪悪感か。そうなんだあ。。」と呟くと、一応は納得したようだった。
「寝れない人とは寝なけりゃイイじゃん。笑」
沈んでいく表情のシオリを見て、ジョージは明るく空気を変える。
シオリは、チラリとジョージの顔を覗き見ると、ひとつ大きなため息を付いて、「そうね」と微笑んだ。