【短】雨宿り、公園のベンチ。
頬をつたっていく涙と一緒に
言葉を吐き出す。
「彼女にっ!
こんな、なんとも思ってないやつと
2人で話したりしてさ」
「茅島?泣いてんの?
彼女って何だよ」
おろおろする高橋に抱くのは悲しさか怒りか。
「今日小牧さんに告白されたでしょ!?
何ボケたこと言ってんのっ!」
スカートをくしゃっと掴むと
水が手に滲んだ。
もうわかってるのに、
散々傷ついているのに、
ここで私にこれを言わせるなんて。
「……そうだな」
雨音と共に
高橋の声が耳に届く。
抉られるような胸の痛み。
……痛い、痛い。
頬に流れる雫は、
髪から滴る雨水か、
瞳から溢れる涙か。