【短】雨宿り、公園のベンチ。
クラスメイトの茅島と
雨が上がるまで
公園のベンチでしのいでいる。
タオルを貸すが無視。
不機嫌なこいつに話しかけても無視。
何があったんだ?
そう思って話しかけたら
泣かれてしまった。
「もう嫌だよ……、
優しくしないでよ」
消え入りそうな声で
そう茅島はつぶやく。
こいつはさっき
俺が今日小牧という女子から
告白されたことを持ち出した。
そして、
『優しくしないで』。
立っている俺を見まいと
頑なに顔を下げる茅島を
さっきまでもどかしく思っていたが
今はそれで都合がいい。
唇を歯でくいしばっていないと
俺の口角は今にも上がってしまいそうだ。
好きな子が目の前で泣いているってのに、
悪趣味かな、俺。