【短】雨宿り、公園のベンチ。



小牧に告白されたのは事実だ。


だけど、こいつは勘違いしている。


俺は振ったんだ、彼女を。


理由はもちろん、

好きな子がいるから。


だけど最近の女子は

肉食っつーのかな?

まあ、積極的なのはいいと思うが、

断った瞬間抱きつかれてしまった。


思いっきり引き剥がして、

俺は先に教室に帰った。


好意は無いものの、

女子に至近距離で触れてしまった体は熱く、

教室に着いた俺はクラスの奴らにからかわれた。


顔が真っ赤だってね。


『OKしたんだろー!?』

ニヤニヤと聞いてくるダチ達に

『いいや』と答えたんだけど信じてもらえなくて。


どうせすぐ誤解も解ける、

と思って否定を面倒くさがり放置したが、

まさかのそれが良かったんじゃないか。


茅島の言葉と涙で確信した。


こいつ、俺のこと好きだろ。




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