水平線の彼方に( 上 )
「何よっ!こんな物っ‼︎ 」

ゴトン!

ゴミ箱の中に、投げ捨てたチョコの箱。封さえも切っていない。

ゴトッ!ボスッ!

次々と投げ捨てられる物たち。

全て、彼の私物…。

泣きながら、怒りながら、全ての思い出を断ち切るように、

掴んでは捨て…

掴んでは捨て……

でも…

思い出は、部屋のあちこちに
嫌になるくらい、
散乱していて……


「もうやだっ‼︎ 」

いても経ってもいられなくなって、
部屋を飛び出した…。


午前五時……

二月の早朝の空気は冷たくて、想像以上に凍てついていた………。

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