水平線の彼方に( 上 )
Act.4 親友
砂緒里からTELがあったのは、同窓会の一週間後だった。
「大事な話があるから」
呼び出されたのは、例の「とんぼ」。
大事な話をするのに居酒屋なんて…と思いながら中に入ると、奥のテーブルにいた彼女が、立ち上がって手招きした。
「ゴメンねー、わざわざ来てもらって…」
彼女のセリフに、
「そんな事ないよ」
返事して気づいた。
「あれ⁈ 平井君…⁈ 」
同じテーブルについている彼を見て、
「平井君も呼ばれたの?」
椅子を引いて尋ねた。
二人並んでる姿を見て、一体どういう事なのと聞こうとしたら、砂緒里が赤面して言った。
「…今度、結婚するの…私達…」
「………ええっ⁉︎ 」
暫く間が空いたのは、突然すぎて、声が出なかったから。
「つ…付き合ってたの…?い、いつから…?」
砂緒里からそんな話、聞いたこともなかったのに。
「高一の夏…くらいかな…」
思い出すような顔で、砂緒里が首を傾げた。
「 高一の夏⁉︎ 」
ざっと、頭の中で計算。
今が二十七だから、高一…ってことは……
「まさか…十一年も付き合ってたのっ⁉︎ 」
聞き返す私に、肩を竦めて笑う。
(ウソ…ホントに…?)
「ビックリ…おめでとう…」
拍子抜けした。
「ありがとう」
仲睦まじく笑っている。ホントに結婚するんだ。
「それで、大事な話と言うのはね、花穂にお願いがあって……」
結婚する人達のお願い。嫌な予感がした。
「披露宴で、スピーチ、してもらえない?」
「スピーチ⁉︎ 私が⁉︎ 」
頭の中、一瞬で真っ白になった。
スピーチどころか、私は……
「むりっ‼︎ むりむり‼︎ 絶対むりっ‼︎ 砂緒里知ってるでしょ⁉︎ 私がすごい上がり症だって!絶対できないって!」
いくら親友だからって、それだけは勘弁してって頼んだ。
「そこを何とかお願い!友人代表として…!」
「僕ら、自分達の事をよく知ってる人に頼みたいから…」
平井君まで無理言う。とんでもない。
「ホントに勘弁して!人前で話すなんて、絶対できないから!」
特に一人でなんて、まず無理だと言いかけた所に、店の戸が開いて…。
「大事な話があるから」
呼び出されたのは、例の「とんぼ」。
大事な話をするのに居酒屋なんて…と思いながら中に入ると、奥のテーブルにいた彼女が、立ち上がって手招きした。
「ゴメンねー、わざわざ来てもらって…」
彼女のセリフに、
「そんな事ないよ」
返事して気づいた。
「あれ⁈ 平井君…⁈ 」
同じテーブルについている彼を見て、
「平井君も呼ばれたの?」
椅子を引いて尋ねた。
二人並んでる姿を見て、一体どういう事なのと聞こうとしたら、砂緒里が赤面して言った。
「…今度、結婚するの…私達…」
「………ええっ⁉︎ 」
暫く間が空いたのは、突然すぎて、声が出なかったから。
「つ…付き合ってたの…?い、いつから…?」
砂緒里からそんな話、聞いたこともなかったのに。
「高一の夏…くらいかな…」
思い出すような顔で、砂緒里が首を傾げた。
「 高一の夏⁉︎ 」
ざっと、頭の中で計算。
今が二十七だから、高一…ってことは……
「まさか…十一年も付き合ってたのっ⁉︎ 」
聞き返す私に、肩を竦めて笑う。
(ウソ…ホントに…?)
「ビックリ…おめでとう…」
拍子抜けした。
「ありがとう」
仲睦まじく笑っている。ホントに結婚するんだ。
「それで、大事な話と言うのはね、花穂にお願いがあって……」
結婚する人達のお願い。嫌な予感がした。
「披露宴で、スピーチ、してもらえない?」
「スピーチ⁉︎ 私が⁉︎ 」
頭の中、一瞬で真っ白になった。
スピーチどころか、私は……
「むりっ‼︎ むりむり‼︎ 絶対むりっ‼︎ 砂緒里知ってるでしょ⁉︎ 私がすごい上がり症だって!絶対できないって!」
いくら親友だからって、それだけは勘弁してって頼んだ。
「そこを何とかお願い!友人代表として…!」
「僕ら、自分達の事をよく知ってる人に頼みたいから…」
平井君まで無理言う。とんでもない。
「ホントに勘弁して!人前で話すなんて、絶対できないから!」
特に一人でなんて、まず無理だと言いかけた所に、店の戸が開いて…。