水平線の彼方に( 上 )
「あ…来た!」
砂緒里が立ち上がった。
「こっち!」
手招きしている。誰が来たの⁈
(えっ…)
よりによって、この人⁉︎
「すまん。ちょっと遅くなった!…んっ⁉︎ 花穂もいたのか…」
「そうよ。来てもらったの」
椅子を勧められて隣に座る。
ついこの間、とんでもなくお世話になったこの人は、椅子に座って聞いた。
「オレに話って何だよ」
「……実は…あの話、やっと決まって…」
平井君、照れてる。
その様子に、隣の人の大きな声が響いた。
「決まったのか⁉︎ …やったな!おめっとさんっ!」
立ち上がって、平井君と握手している。これだけ見ると、如何にも男の友情みたいでカッコいいんだけど…。
「それでね、ノハラと花穂にスピーチして欲しいの。二人で一緒に」
「二人一緒⁉︎ 」
同時に叫んだ。
「なんで…」
「何だよ、オレとじゃ不服なのかよ」
口尖らせてこっちを向かれた。
「いや、そうじゃなくて…」
不服とか以前の問題。
そもそも、スピーチを頼まれた時点で無理がある。
私が困った顔していたからか、ノハラが急に思い出した。
「そういやコイツ、すげぇド緊張で、もの言えなくなるんじゃなかったか⁉︎ 」
(そう!そうなのよ!ノハラ、あんたエライ!)
覚えてた事に、ちょっと感動。
「こんなヤツにスピーチ頼んで出来るのか⁈ 」
言い方は散々だけど…。
「だから、ノハラにも頼んでるんじゃない!二人一緒にお願いって…」
呆れたような顔で砂緒里を見ている。
ノハラじゃなくても呆れる。私にスピーチなんて。
「花穂が上がり症で、もの言えなくなるのは十分知ってる。だから、ノハラを付けたんじゃない!」
「俺の方が付け足しなのかよ」
むくれてる。今はそれが問題じゃない。
「そうじゃないけど、花穂一人じゃ絶対無理でしょ?だから誰かと一緒に…って考えて」
「それでオレ?」
「そう!陽介君とも相談して、一番適任だろうって事になって…」
「真悟とは、僕も付き合い長いしね」
二人してニッコリし合ってる。ジョーダンきつい…。
「真悟が花穂ちゃんを上手くリードしてくれれば、きっといいスピーチになると思うんだよ」
「…俺がコイツをリード⁈ 」
如何にも面倒くさそう。ノハラでなくても、私でも嫌だし…。
砂緒里が立ち上がった。
「こっち!」
手招きしている。誰が来たの⁈
(えっ…)
よりによって、この人⁉︎
「すまん。ちょっと遅くなった!…んっ⁉︎ 花穂もいたのか…」
「そうよ。来てもらったの」
椅子を勧められて隣に座る。
ついこの間、とんでもなくお世話になったこの人は、椅子に座って聞いた。
「オレに話って何だよ」
「……実は…あの話、やっと決まって…」
平井君、照れてる。
その様子に、隣の人の大きな声が響いた。
「決まったのか⁉︎ …やったな!おめっとさんっ!」
立ち上がって、平井君と握手している。これだけ見ると、如何にも男の友情みたいでカッコいいんだけど…。
「それでね、ノハラと花穂にスピーチして欲しいの。二人で一緒に」
「二人一緒⁉︎ 」
同時に叫んだ。
「なんで…」
「何だよ、オレとじゃ不服なのかよ」
口尖らせてこっちを向かれた。
「いや、そうじゃなくて…」
不服とか以前の問題。
そもそも、スピーチを頼まれた時点で無理がある。
私が困った顔していたからか、ノハラが急に思い出した。
「そういやコイツ、すげぇド緊張で、もの言えなくなるんじゃなかったか⁉︎ 」
(そう!そうなのよ!ノハラ、あんたエライ!)
覚えてた事に、ちょっと感動。
「こんなヤツにスピーチ頼んで出来るのか⁈ 」
言い方は散々だけど…。
「だから、ノハラにも頼んでるんじゃない!二人一緒にお願いって…」
呆れたような顔で砂緒里を見ている。
ノハラじゃなくても呆れる。私にスピーチなんて。
「花穂が上がり症で、もの言えなくなるのは十分知ってる。だから、ノハラを付けたんじゃない!」
「俺の方が付け足しなのかよ」
むくれてる。今はそれが問題じゃない。
「そうじゃないけど、花穂一人じゃ絶対無理でしょ?だから誰かと一緒に…って考えて」
「それでオレ?」
「そう!陽介君とも相談して、一番適任だろうって事になって…」
「真悟とは、僕も付き合い長いしね」
二人してニッコリし合ってる。ジョーダンきつい…。
「真悟が花穂ちゃんを上手くリードしてくれれば、きっといいスピーチになると思うんだよ」
「…俺がコイツをリード⁈ 」
如何にも面倒くさそう。ノハラでなくても、私でも嫌だし…。