水平線の彼方に( 上 )
指示されるがまま作業を手伝い、出荷の準備は完了した。
「助かった。サンキュー」
軍手を外しながらお礼を言われた。
「どういたしまして…」
ハサミとテープと梱包材、渡していただけだから、大した事はしていない。
ノハラが頭に被っていたタオルを外す。結んでいたゴムが弾け飛んで、パラリと髪がほどけた。
「…ノハラの髪型って、なんかサーファーっぽいね」
直感を口にしただけなのに、ひどく驚いた顔をされた。
「何?私、変なこと言った⁈ 」
思わず聞き返した。
ゴムを拾い髪を縛りながら、いいや…と答える。
「…こっち来いよ」
いらない質問を避けるように、作業台として使っているテーブルにつかされた。
「何か考えてきたか?スピーチの内容」
間髪入れず聞いてきた。
「思い出話で良かったよね…」
確かめるようにメモ帳を広げた。酔っ払いながら聞いた話だけに、自信がなかった。
「そうだよ、何かあったか?」
覗き込む。良かった。間違ってないらしい。
「あるって言うか、私が覚えてる範囲、こんなもん」
砂緒里と平井君、それぞれに関する思い出。主に小学校や中学校時代のことを書き出してみた。
「…この犬って書いてるのは何だよ」
単語一つの物を指差された。
「ああ、これはね…」
懐かしい思い出。小学校三年生のこと……
「助かった。サンキュー」
軍手を外しながらお礼を言われた。
「どういたしまして…」
ハサミとテープと梱包材、渡していただけだから、大した事はしていない。
ノハラが頭に被っていたタオルを外す。結んでいたゴムが弾け飛んで、パラリと髪がほどけた。
「…ノハラの髪型って、なんかサーファーっぽいね」
直感を口にしただけなのに、ひどく驚いた顔をされた。
「何?私、変なこと言った⁈ 」
思わず聞き返した。
ゴムを拾い髪を縛りながら、いいや…と答える。
「…こっち来いよ」
いらない質問を避けるように、作業台として使っているテーブルにつかされた。
「何か考えてきたか?スピーチの内容」
間髪入れず聞いてきた。
「思い出話で良かったよね…」
確かめるようにメモ帳を広げた。酔っ払いながら聞いた話だけに、自信がなかった。
「そうだよ、何かあったか?」
覗き込む。良かった。間違ってないらしい。
「あるって言うか、私が覚えてる範囲、こんなもん」
砂緒里と平井君、それぞれに関する思い出。主に小学校や中学校時代のことを書き出してみた。
「…この犬って書いてるのは何だよ」
単語一つの物を指差された。
「ああ、これはね…」
懐かしい思い出。小学校三年生のこと……