水平線の彼方に( 上 )
どう接すればいいのか分からず、妙に構えてしまう。
佐野さんは告った後も、今まで通り接してくれているのに、どうしてもそれに合わせられない。
息が詰まりそうな日が続く中、それまで習っていたアレンジメントも、教わっていなかったーー。
「…花穂ちゃん近頃、アレンジメント教えてって言わないね。いいの⁈」
ドキッ!とうとう聞かれた。
「もしかして、僕の告白のこと、気にしてる?」
そうです…。
なんて、言える訳ない。
「……」
無言で赤面した。それだけで納得された。
「そうか…。言うんじゃなかったね…」
佐野さんが寂しそう。そんな事ないと、言ってあげたいけど…。
「…ごめんなさい…どうしても、恋愛対象には思えなくて…」
考えても考えても上司か先輩としか思えない。毎日のように同じ仕事場で働いているのに、それ以上の感情が湧いてこない…。
「ごめんなさい…ホントに…」
気まずい。こんな気持ちでは、仕事ができない。佐野さんの顔も、見づらい…。
「…そう言われるんじゃないかと、覚悟はしてたよ…」
明るい言い方。肩を落とした。
「最初から駄目もとで言ってみたんだ。だから気にしないで」
花の手入れを続けながら話す。その姿を黙って見た…。
「花穂ちゃんと真悟の間には、入り込めない何かがあるみたいな気がしてたのに、言わずにはいられなかった。単なる同級生なら、僕とのことも、少しは考えてくれるかなって思ったけど…やっぱり違ったね…」
花の間から見える、優しい顔立ち。
上がり症でうまく喋れない私を、気遣ってくれる人。
彼女になったらきっと、一心に愛情を注いでくれるだろうに…。
「花穂ちゃんは真悟と、本当にただの同級生なの?」
目が合い、真剣な顔をして問われた。
ドキッ…
改めて聞かれると、即答できない…。
「もうとっくに、その枠から外れているんじゃない?」
肯定も否定もできない感じする。
固まったまま、何も、答えられなかった……。
佐野さんは告った後も、今まで通り接してくれているのに、どうしてもそれに合わせられない。
息が詰まりそうな日が続く中、それまで習っていたアレンジメントも、教わっていなかったーー。
「…花穂ちゃん近頃、アレンジメント教えてって言わないね。いいの⁈」
ドキッ!とうとう聞かれた。
「もしかして、僕の告白のこと、気にしてる?」
そうです…。
なんて、言える訳ない。
「……」
無言で赤面した。それだけで納得された。
「そうか…。言うんじゃなかったね…」
佐野さんが寂しそう。そんな事ないと、言ってあげたいけど…。
「…ごめんなさい…どうしても、恋愛対象には思えなくて…」
考えても考えても上司か先輩としか思えない。毎日のように同じ仕事場で働いているのに、それ以上の感情が湧いてこない…。
「ごめんなさい…ホントに…」
気まずい。こんな気持ちでは、仕事ができない。佐野さんの顔も、見づらい…。
「…そう言われるんじゃないかと、覚悟はしてたよ…」
明るい言い方。肩を落とした。
「最初から駄目もとで言ってみたんだ。だから気にしないで」
花の手入れを続けながら話す。その姿を黙って見た…。
「花穂ちゃんと真悟の間には、入り込めない何かがあるみたいな気がしてたのに、言わずにはいられなかった。単なる同級生なら、僕とのことも、少しは考えてくれるかなって思ったけど…やっぱり違ったね…」
花の間から見える、優しい顔立ち。
上がり症でうまく喋れない私を、気遣ってくれる人。
彼女になったらきっと、一心に愛情を注いでくれるだろうに…。
「花穂ちゃんは真悟と、本当にただの同級生なの?」
目が合い、真剣な顔をして問われた。
ドキッ…
改めて聞かれると、即答できない…。
「もうとっくに、その枠から外れているんじゃない?」
肯定も否定もできない感じする。
固まったまま、何も、答えられなかった……。