水平線の彼方に( 上 )
「おいっ!返信して来いよ! 」
大きな声。ビックリして聞き返した。
「あの…誰…?」
「誰って…オレに決まってんだろ!石坂だよ!」
「えっ⁈ ノハラ⁈ なんで…」
「陽介の嫁がナンバー教えてきたんだよ!それより、さっきの返事、どうなんだよ⁈ 」
「ど…どうって……いいに決まってるじゃん…」
中学の頃からずっと、断った事なんて一度もない。
彼の頼みに答えることで、自分の存在価値が認められた気がしていたから…。
「だったら早く返事よこせ!心配になるだろ!」
なんだか怒ってる…⁈
そもそも、この電話はどこから…⁈
「ノハラ…家電から電話してるの…⁈ 」
確認のつもりで聞いた。
「いや、部屋電から」
「部屋電…⁉︎ 」
…何なのそれ、そんなのあったの…⁈
「オレ個人で部屋に固定電話引いてるんだ。そこから電話してる」
「ノハラの…個人電話…⁈」
呆れた…それがあるならあるって、早く言ってくれれば良かったのに…。
「もしかして、お前、知らなかったのかよ」
「うん…だって誰も、教えてくれなかったから…」
言い訳がましく感じる。
二人の関係が変わったのは、ついさっきからだ。
「これからはこの電話にかけて来いよ。遠慮しなくていいから 」
「うん…」
顔を見ても見なくても、やっぱりノハラはノハラだ。
(ロマンチストなのは、文字だけか…)
少しがっかり。でも、それを見越したように言われた。
「頼み事は花穂にしかしない。だから沖縄に行けるよう、しっかり金貯めとけよ!」
分かったか⁈ って。やっぱり上から目線…。
「分かってる。だからお願いね。後からダメなんて言わないでよ」
(離さないでいて…)
裏にある気持ちを隠す。
それをまるで知ってるかのような返事があった…。
「駄目なんか言うか!絶対連れてく!」
キュッ…
胸が熱くなる。声だけでも、やっぱりもどかしい……。
大きな声。ビックリして聞き返した。
「あの…誰…?」
「誰って…オレに決まってんだろ!石坂だよ!」
「えっ⁈ ノハラ⁈ なんで…」
「陽介の嫁がナンバー教えてきたんだよ!それより、さっきの返事、どうなんだよ⁈ 」
「ど…どうって……いいに決まってるじゃん…」
中学の頃からずっと、断った事なんて一度もない。
彼の頼みに答えることで、自分の存在価値が認められた気がしていたから…。
「だったら早く返事よこせ!心配になるだろ!」
なんだか怒ってる…⁈
そもそも、この電話はどこから…⁈
「ノハラ…家電から電話してるの…⁈ 」
確認のつもりで聞いた。
「いや、部屋電から」
「部屋電…⁉︎ 」
…何なのそれ、そんなのあったの…⁈
「オレ個人で部屋に固定電話引いてるんだ。そこから電話してる」
「ノハラの…個人電話…⁈」
呆れた…それがあるならあるって、早く言ってくれれば良かったのに…。
「もしかして、お前、知らなかったのかよ」
「うん…だって誰も、教えてくれなかったから…」
言い訳がましく感じる。
二人の関係が変わったのは、ついさっきからだ。
「これからはこの電話にかけて来いよ。遠慮しなくていいから 」
「うん…」
顔を見ても見なくても、やっぱりノハラはノハラだ。
(ロマンチストなのは、文字だけか…)
少しがっかり。でも、それを見越したように言われた。
「頼み事は花穂にしかしない。だから沖縄に行けるよう、しっかり金貯めとけよ!」
分かったか⁈ って。やっぱり上から目線…。
「分かってる。だからお願いね。後からダメなんて言わないでよ」
(離さないでいて…)
裏にある気持ちを隠す。
それをまるで知ってるかのような返事があった…。
「駄目なんか言うか!絶対連れてく!」
キュッ…
胸が熱くなる。声だけでも、やっぱりもどかしい……。