嘘恋
「夢なんじゃないかって心配だった」
彼の顔があたしの首筋に埋まる。
「目が覚めた時…お前がいないんじゃないかって。だめだな、俺余裕ない」
「シオン…」
大丈夫だよ、シオン。
あたしはどこにもいかない。
もう、離れたりしないから。
「夢なんかじゃないよ。大丈夫、あたしはここにいる」
「…ん」
きっと…不安なんだ。
だめだね、あたしがしっかりしないと。
「年下なんだから、もっと甘えてこいっ!」
冗談交じりにシオンの頭をくしゃくしゃと撫でると、複雑そうな顔であたしを見ていた。
「…年下とか関係ねぇじゃん。頑張ってんのになんだよ」
…お?拗ねてる?
「シオン?」
「…こっち見んなっ」
おもいっきり顔をむぎゅーっと押されてあたしの顔は戻された。
…かわいいところあるじゃん。
「背伸びなんてしなくていんだよ?あたしはそのままのシオンが好き」
「うっせーな。いんだよ俺がしたいんだから」
「そっかそっかぁ」
…ありがと。