嘘恋
次の日
言ってたとおり、あたしは家に帰って荷物をまとめていた。
「これと…あとは下着と」
着替えと化粧品ぐらいもっていけばあとはなんとかなるよね?
がさがさとやってると、お母さんが部屋を覗きに来た。
「あら、旅行でも行くの?」
「ううん。…今日から、彼氏と同居することになったの!」
「あら、そうなの?淋しくなるわね…」
「ははっ!時々遊びにくるよ?お母さんのご飯美味しいからさ!」
ニコッと笑うと、お母さんも嬉しそうに笑って『そっかそっか』と下へ降りていった。
「よし…」
シオンが家で待ってるから早く支度しなきゃ。
♪〜♪♪〜
「…ん?」
シオンかな。
もしかして迎えに来てくれたとか?
慌てて携帯を手に取る。
…ーえ?
通話ボタンを押す手が止まる。
画面に表示されてるのは
間違いなく
『成瀬』の名前。