嘘恋






行くあてもなく、重い足取りで成瀬の家に戻った。






もう、怖くなんてないよ。



だってあたしたちは、あんなに愛し合ってるんだもん。






前の別れ方は後悔しか残ってなかったけど、今回は違う。








あたしね?
あなたを待つことが幸せすぎてさ、もうワクワクしてるんだ。







いつに会えるかなんて、わからない。




でも、成瀬のことだからきっと遅くなっても迎えに来てくれるって信じてるよ。







あたしは、前と変わらず
またいつも通りの生活にもどるだけ。






ふつうに、ふつうに。







成瀬の部屋に入ると机の上になにか置いてあった。






…なんだろう。





< 131 / 136 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop