嘘恋
授業が終わったあと、シオンくんのところへと駆け寄った。
「おはよー」
「おはようってか」
「ねぇねぇ、あたしシオンくんのこと知りたい」
「あ?」
「もっと仲良くなりたい!」
「…そっか、としか言いようがないんだけど」
「おし!」
仲良くなったらあたしにも笑顔を見せてくれるかも!
「シオンは彼女のこと特別扱いとかするの?」
「まぁ、好きなやつと他人では違うだろやっぱ」
「じゃあさ、好きな人にはどんな態度するの?」
「どんな態度?」
「他の人との違いは?」
「…なんでそんなこと聞くんだよ」
「だって、笑わないじゃん」
「はあ?」
「あたしに笑いかけてくれないじゃん。彼女にはわらってたのかなってさ」
「そんないっつもニコニコしてる男なんていねーだろ。笑う時は笑うし」
「じゃあ笑ってみてよ」
「バカ」
……んー。
ここまでクールな人は見たことない。
手ごわいぞっ。
「じゃあ睨めっこしよ!」
「睨めっこ?」