嘘恋
ごめんね、ムリだ。
あれから、いつもシオンと一緒にいた。
時にはご飯食べに行ったり、遊んだり。
今のあたしにとって一番近くにいる存在になった。
シオンもね、あたしに慣れてきてくれたのか少しずつ距離も近くなってきた。
「ねぇシオン?あたし、シオンの誕生日祝いたいなぁ!」
「誕生日?いーよ別に。めんどう」
「めんどうってなによ。年に一度しかないじゃん。祝ってないの?」
「俺一人暮らしだし。めんどくさいからなんもしてない」
「えー!だめだよそんなの。私が祝ってあげるって!」
「なんでそんな祝いたいんだよ」
「だって、シオンがあたしと出会えたのは運命でしょ?シオンが生まれてきてくれたらじゃん。感謝しなきゃ」
「…お前さらっと今恥ずかしいこと言ったな」
「自分でもそう思いました」
でもね、あたしはどんなことよりも誕生日は一番大事だと思うの。
もちろん、今一番近い存在にいるからこそ一緒に祝いたいって思うんだ。
一人暮らしなら、なおさら。
「で?いつ!」
「今日」
「…へ?」
まさか、冗談でしょ?
「…だから、いいっての。気持ちだけでもありがたいから」
「いやいや、驚いただけ!じゃあ今日色々買ってしおんち家に行くね!」
「はぁ?んならいきなり言われても。」
「いーじゃん!じゃ、後で連絡するね」
半強制的だけど
今日はシオンの家で誕生日パーティー!