嘘恋

俺は俺だから





次の日、重い足取りで大学に向かう。







廊下を歩いていると、まえから歩いてくる男の人。







…シオンだ。







慌てて目を逸らそうとしたけど、先に視線を逸らしたのは彼の方だった。







もしかして、嫌われたんだろうか。




……当たり前だよね。



最初に避けたのはあたしだ。
手放したのはあたし。

嫌われて当たり前。






…ゴソッ。








「え…?」







振り返るとシオンの後ろ姿。



今…なにかポッケに入れられた?







そっと自分のポッケに手を入れると
なにか違和感を感じた。



< 97 / 136 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop