スセリの花冠
「早く、キスして」
すがるような愛世の眼差しに、アルファスが口角を上げた。
「どうした、アイセ」
それから、息のかかる距離で低く囁く。
「やけに苦しそうだが……どうした?神に祝福された鎧が当たり、身体が焦げ付いたか?俺に口付けて毒でも流し込むつもりだったか?……久し振りだな、エリーシャ」
「くっ……!」
アルファスのその言葉を聞くや否や、愛世の顔がみるみる悔しげなエリーシャに変わった。
「残念だったな」
逃すまいと力を込め、アルファスは片手でエリーシャの首を掴んで締め上げた。
けれど次の瞬間、エリーシャは黒い煙となって散るようにアルファスの手から抜け出し、空に駆け上がりながら大蛇と化した。
その姿がすっかり変わり果てた頃、エリーシャがアルファスに問いかけた。
「…なぜ気づいた?」
腹の底に響く、不快な声である。
アルファスは素早く弓をかまえながら不敵な笑みを浮かべた。
「アイセはそんな事を言ったりしない」
アルファスの言葉に、エリーシャは赤い舌をチロチロと見せながら楽しそうに笑った。
「…気の毒に。…お前は相手にされていないのだな」
「黙れ、魔性っ!!」
アルファスは眼にも止まらぬ早さで弓を引いた。
すがるような愛世の眼差しに、アルファスが口角を上げた。
「どうした、アイセ」
それから、息のかかる距離で低く囁く。
「やけに苦しそうだが……どうした?神に祝福された鎧が当たり、身体が焦げ付いたか?俺に口付けて毒でも流し込むつもりだったか?……久し振りだな、エリーシャ」
「くっ……!」
アルファスのその言葉を聞くや否や、愛世の顔がみるみる悔しげなエリーシャに変わった。
「残念だったな」
逃すまいと力を込め、アルファスは片手でエリーシャの首を掴んで締め上げた。
けれど次の瞬間、エリーシャは黒い煙となって散るようにアルファスの手から抜け出し、空に駆け上がりながら大蛇と化した。
その姿がすっかり変わり果てた頃、エリーシャがアルファスに問いかけた。
「…なぜ気づいた?」
腹の底に響く、不快な声である。
アルファスは素早く弓をかまえながら不敵な笑みを浮かべた。
「アイセはそんな事を言ったりしない」
アルファスの言葉に、エリーシャは赤い舌をチロチロと見せながら楽しそうに笑った。
「…気の毒に。…お前は相手にされていないのだな」
「黙れ、魔性っ!!」
アルファスは眼にも止まらぬ早さで弓を引いた。