スセリの花冠
矢は一直線にエリーシャへ向かうも、命中する前に砂のように崩れる。
それを見たアルファスは立て続けに三本の矢を射たが、どれもエリーシャを捉えられずに消えた。
「ふっ、愚かな。これごときの矢で悪鬼が倒せると?」
アルファスはギリッとエリーシャを睨み上げると、今度は腰の長剣を抜き放った。
「ならばこれはどうだ?!」
「グッ……!」
アルファスの愛剣を見るや否やエリーシャはビクリと震え、大きく仰け反った。
そんなエリーシャに、アルファスがニヤリと笑う。
「なんだ、この剣が怖いか」
アルファスの愛剣ザリンダルは、生まれたばかりのアルファスの麗しさに感動した守護神ドロスが、鍛冶神へパイストスに製作を依頼した剣である。
恩人であるドロスの頼みを快諾したヘパイストスは、神として持ち得た全ての技術をつぎ込み、十年の歳月をかけて自らザリンダルを作製したのだった。
完成したザリンダルは黄金製であるにも関わらず世界中に存在するどの剣よりも硬く、何を斬ろうとも刃こぼれせず、絶対に折れることがない大聖剣である。
エリーシャは恐怖のあまり息を飲んだ。
この剣が空を斬るだけで辺り一帯が浄化され、身に刺さるような感覚が不快でたまらない。
アルファスはザリンダルを右手で持ち上げると眼の高さでピタリと止め、左手を柄に添えて構えた。
「おのれ、小癪な!」
それを見たアルファスは立て続けに三本の矢を射たが、どれもエリーシャを捉えられずに消えた。
「ふっ、愚かな。これごときの矢で悪鬼が倒せると?」
アルファスはギリッとエリーシャを睨み上げると、今度は腰の長剣を抜き放った。
「ならばこれはどうだ?!」
「グッ……!」
アルファスの愛剣を見るや否やエリーシャはビクリと震え、大きく仰け反った。
そんなエリーシャに、アルファスがニヤリと笑う。
「なんだ、この剣が怖いか」
アルファスの愛剣ザリンダルは、生まれたばかりのアルファスの麗しさに感動した守護神ドロスが、鍛冶神へパイストスに製作を依頼した剣である。
恩人であるドロスの頼みを快諾したヘパイストスは、神として持ち得た全ての技術をつぎ込み、十年の歳月をかけて自らザリンダルを作製したのだった。
完成したザリンダルは黄金製であるにも関わらず世界中に存在するどの剣よりも硬く、何を斬ろうとも刃こぼれせず、絶対に折れることがない大聖剣である。
エリーシャは恐怖のあまり息を飲んだ。
この剣が空を斬るだけで辺り一帯が浄化され、身に刺さるような感覚が不快でたまらない。
アルファスはザリンダルを右手で持ち上げると眼の高さでピタリと止め、左手を柄に添えて構えた。
「おのれ、小癪な!」