スセリの花冠
だとしたら、俺は……!

「ごめんなさい、ディアラン。私の事は気にしないで」

違う、そうじゃない。謝ってもらいたいんじゃないんだ、俺は……!

ディアランは、愛世の傍に歩み寄ると身を屈めた。

それから彼女の目線の高さに合わせると、そっと頬に手を伸ばす。

「……アイセ」

「ごめんね、ディアラン。好きになってごめん」

たまらずディアランは寝台に上がり、愛世の後ろにまわると、その胸に彼女を包み込んだ。

「ディ、アラン…やめて」

「……嫌だ」

「そんな風にしないで。優しくしないで」

「……嫌だ」

ディアランは愛世の耳元に顔を埋め、切なげに囁いた。

「アイセ、アイセ」

溢れる想いを止めることが出来ず、ディアランは何度も愛世の名を呼ぶ。

「ディアラン…?」

愛世は身を起こすとディアランに向き直り、彼の赤茶色の瞳を覗き込んだ。

ディアランはそんな愛世の背中に両腕を回すと、抱き寄せながら顔を傾ける。

男らしい頬と通った鼻筋が間近に迫り、愛世の鼓動が跳ね上がった。

「ディ、アラン…?」

「愛してる」
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