スセリの花冠
****
満月の呪いから二日後の午後、愛世にようやく歩く許可が降りた。
相変わらず身体中が痛かったが寝てばかりもいたくなかったので、宮殿を出て南へ数分の距離にある池へと足を進める。
池のすぐそばある石段に腰かけると、愛世は太陽をキラキラと反射する水面を見つめた。
綺麗……それから、嬉しい。
無意識に笑みがこぼれたのは、愛世の胸にディアランの顔が浮かんだからだ。
恋が、実った。
叶った恋の相手がディアランだという事が、本当に嬉しい。
でも……。
嬉しさの分、切なさが込み上げる。
……そうだ。
私は……もうすぐ死ぬ。
もともと短い命だった。
そんな私を須勢理姫が異世界に。
恋がしたい。そんな私の願いを、須勢理姫が叶えてくださった。
こんなに素敵な恋を、私に。
分かってる。高望みはしちゃいけないって。
でも、でも……!
ギュッと胸が痛んで、それをきっかけに顔が歪む。
悲しみに耐えられなくなり涙がみるみる流れて落ちた。
ディアランと、離れたくない。
私……死にたくない!
満月の呪いから二日後の午後、愛世にようやく歩く許可が降りた。
相変わらず身体中が痛かったが寝てばかりもいたくなかったので、宮殿を出て南へ数分の距離にある池へと足を進める。
池のすぐそばある石段に腰かけると、愛世は太陽をキラキラと反射する水面を見つめた。
綺麗……それから、嬉しい。
無意識に笑みがこぼれたのは、愛世の胸にディアランの顔が浮かんだからだ。
恋が、実った。
叶った恋の相手がディアランだという事が、本当に嬉しい。
でも……。
嬉しさの分、切なさが込み上げる。
……そうだ。
私は……もうすぐ死ぬ。
もともと短い命だった。
そんな私を須勢理姫が異世界に。
恋がしたい。そんな私の願いを、須勢理姫が叶えてくださった。
こんなに素敵な恋を、私に。
分かってる。高望みはしちゃいけないって。
でも、でも……!
ギュッと胸が痛んで、それをきっかけに顔が歪む。
悲しみに耐えられなくなり涙がみるみる流れて落ちた。
ディアランと、離れたくない。
私……死にたくない!